お箸の国の「あたりまえ」をいかに安く安定的に供給するか。 お箸の国の「あたりまえ」をいかに安く安定的に供給するか。

ロシア、そして、中国を渡って、日本の食卓へ。

コンビニエンスストア(以下:コンビニ)でお客様にサービスでお渡しする割り箸。この割り箸を、なんと私たちは年間9億膳も供給しています。たかが割り箸と侮ることなかれ、この仕事で難しいのが、低コストでいかに安定した品質のものを届けるかということ。割り箸の原木は、中国の国境にほど近いロシアから仕入れ、中国メーカーで加工しています。実は、この段階が品質を決めるポイントになる。というのも、たとえば、木材に水分が多いとカビの原因になりますし、また、天然素材ならではの色や質感の違いも生じるという難しさもあります。安定した製品を供給するためには、さまざまな課題をクリアしなければならないのです。

品質への目線を、いかに揃えていくのか。

品質を維持するために行っているのが、実際に中国のメーカーを訪れて品質への意識を統一していくことです。木材を箸の形に加工した後、人の目で検品を行う際に、どれを不良品としてはじくのかを伝えていく。メーカー側が「これくらい許容では?」と思うことも、日本では「NO」となる。その目線を養ってもらうのです。また、中国には依頼先が何社もあるため、検品指導のために年に5~6回は中国に出かけていきます。そして、出張した夜は、たいていメーカーの方と食事に行きますね。互いに本音で話して関係をつくっていく。それも、仕事の一つですし、こうして地道に少しずつ私たちの考え方を理解していただくのが大切なのです。

より安定した供給のために、新しい国へも視野を広げて。

割り箸を供給し続ける難しさは、品質管理の面だけでなく、今後の国際情勢の変化を読み取ることにもあります。ロシアと中国を経由して届く製品ですから、為替変動や政治リスク、気候変動などでも原価が左右されます。また、中国で建築ラッシュが起きれば木材の価格が上がり、中国からアメリカへの家具の輸出が増えても加工費が上がる。ですから、加工も一国だけではなく、今後は、ベトナムなど近隣の国のメーカーにも視野を広げていかなければと考えています。日本人にとって、コンビニで割り箸をもらうことはごくあたりまえ。でも、そのあたりまえを届けるために、こんなにも苦心している。そう思うと、ちょっと不思議ですよね。でも、人がやっていないことをするのが好きな私には、なかなか面白い仕事でもあるのです。

Profile

コンビニの店長を経験した後、伊藤忠リーテイルリンクへ入社。以来、コンビニに対する営業を主に経験してきた。キャリアの途中では、取引先の大手コンビニに出向しバイヤーも経験。さまざまな視点からコンビニという事業を理解している一人。なくてはならない“割り箸”の供給を一手に引き受け、世界を駆け回っている。

2006年入社 K.O

Don’t Stop Ambitions ビジネス野心を磨け!