ビニール傘に、新しい付加価値を。 ビニール傘に、新しい付加価値を。

信頼を築きながら、一緒に製品をつくる関係になっていく。

年間1億本以上消費するといわれる、傘大国、日本。そのうち約半数がビニール傘。小売店向けの傘の商品企画から製造調達、店舗納品まで行う、私たち。そのノウハウに期待をいただき、ある大手の販売会社から、「引っ張っても壊れない折りたたみ傘をつくれないか」という依頼が入った。今でこそ、自動開閉の折りたたみ傘は浸透しつつあるが、当時は馴染みのないユーザーも多く、いつもの折りたたみ傘の癖で、ボタンで閉じずに手で閉じようとしたことが原因で故障となり、クレームにつながるケースがあるのだという。「もともと傘は部品が多いのですが、自動開閉の折りたたみ傘は普通のビニール傘と比べて構造も複雑で部品の数も多い。

まずはバラして、どの部品が壊れやすさの原因になっているのかを製造メーカーと一緒に突き止めるところから始まりました。結果として、あるプラスチックの部品を金属に変えることで強度を保つことを提案し、採用をいただきました」。これを機にお客様との関係も深まり、新たに商品開発の提案を行った。通常はコンビニで販売されるビニール傘は、65cm・70cmの2サイズ展開が中心だが、当時、このお客様が販売していたのは65cmのみ。そのため、男性客に需要のある70cmのビニール傘を提案。さらに、一般的な透明なビニールではなく、紺色のビニールに布傘のように見える特殊加工を施すことで、他にはない高級感を持つ傘を販売した。

ユーザーの声が商品の価値を高めていく。

お客様に採用いただいた提案は、他にもある。そのひとつは、オールプラスチックの傘だ。大雨の日の後に捨てられているビニール傘の問題を受けて、サプライヤーとともに開発を行い、お客様の賛同を得た。金属を使わないことで錆びないだけでなく、著名なデザイナーにデザインを依頼し、機能的にもデザイン的にも「長く使えるビニール傘」にこだわった。今後改良を重ね、生地が傷んだら張り替えられることも視野に入れており、ビニール傘に新しい風を吹き込む存在となりつつある。
しかし、製品が完成し、世の中に流通されたからといって、私たちの仕事は終わりではない。ユーザーの声や、店舗データから製品の改善点を洗い出すことも重要な仕事のひとつなのだ。「70cmの紺色のビニール傘は通常のビニール傘と差別化をはかるために、布傘のような高級感のある仕様にしたことによって、逆に“値段が高い布傘”と誤認されてしまい、購入の選択肢から外されてしまうことがありました。そのため、お客様が一目でビニール傘だと分かるパッケージデザインに変更するリニューアルを行いました。このことから、商品の情報をお客様に正確に伝えることが、いかに難しいかを痛感しました」。
製品はお客様、そしてユーザーとともに、よりよいものへとつくり上げていくものであるのだ。

「雨の日の傘コーナー」じゃない。柱の商品をめざして。

3つの傘を納入し、現在は「傘全体の品揃えを見直そう」という声が上がるようになるほど、お客様から期待を寄せていただいている。その期待にも、高い品質と独自性で応えていかなくてはいけない。「開発にあたってお客様の売場をみていても、男性目線のものが多い。自動開閉の折りたたみ傘も利便性はありますが、部品が多いため重くなりすい。そこで、次は、女性が持ちやすい軽量の折りたたみ傘の開発もしていきたいですね。

一方、男性の中でも紫外線を気にする方が増えているので、男性が買いやすい晴雨兼用の傘の開発も考えています。レベルの高い提案を求められるので、難しい時もありますが、お客様と一緒に製品を考える面白さがあるし、自分の成長につながっていると思います。「価格」を優先される企業様もいらっしゃいますが、“いかに製品に付加価値を与えられるか”に全力で取り組めているので、とてもやりがいを感じるプロジェクトですね」。

Profile

2015年に新卒で伊藤忠リーテイルリンクに入社。現在の日用品・生活雑貨事業部でスーパーや量販店のお客様を中心に商品企画開発や販売を行う。お客様に地域スーパーも多く、出張に出向くなど忙しい日々を送りながら、お客様との関係を深めている。

2015年入社 K.K

Don’t Stop Ambitions ビジネス野心を磨け!